なぜ台湾に世界四大博物館の一つがあるのか—故宮博物院の歴史と価値

世界四大博物館といえば、ルーヴル美術館(フランス)、メトロポリタン美術館(アメリカ)、エルミタージュ美術館(ロシア)、そして 国立故宮博物院(台湾) が挙げられます。台湾・台北にある故宮博物院は、中国文化の精髄を収蔵する特別な博物館ですが、なぜこの貴重な文化遺産が台湾にあるのでしょうか?今回はそんな疑問に基づいて情報を集めて見ました。

世界四大博物館

  1. ルーヴル美術館(フランス・パリ)https://www.louvre.fr/en
    世界最大級の美術館であり、『モナ・リザ』や『ミロのヴィーナス』などの名作を所蔵。
  2. メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク)https://www.metmuseum.org/ja
    古代から現代まで幅広い美術品を展示し、エジプト美術やヨーロッパ絵画のコレクションが充実。
  3. エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)https://www.hermitagemuseum.org/
    ロシア皇帝のコレクションを基にした美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチやレンブラントの作品を所蔵。
  4. 国立故宮博物院(台湾・台北)https://www.npm.gov.tw/?l=3
    中国歴代王朝の貴重な文化遺産を収蔵し、翡翠彫刻の「翠玉白菜」などが有名。

これらの博物館は、それぞれの地域の歴史や文化を象徴する存在であり、世界中の美術愛好家にとっては一度は訪れてみたいところですね。もちろん、管理人はどこにも行ったことはないのですが、今回はじめて故宮博物館に行くことができました。

台湾の歴史を紡ぐ至宝—故宮博物院の魅力

台湾には数々の文化的・歴史的な観光スポットがありますが、その中でも 故宮博物院 は世界的に価値のある歴史遺産を所蔵する、まさに台湾の至宝とも言える場所です。中国文明5000年の歴史を物語る膨大なコレクションは、訪れる人々を悠久の時の流れへと誘います。

しかも、故宮博物院には、元々は北京の紫禁城(故宮)に収蔵されていた清王朝の宝物が、歴史の転換点を経て台湾へと持ち込まれ、1955年に正式に博物館として開館しました。現在では約70万点以上の収蔵品を誇り、その中には 「翠玉白菜」 や 「肉形石」 など、ユニークで美しい名品も含まれています。

なので、中国文明の粋が集結したこの歴史的価値のある場所を訪れることで、悠久の歴史に触れ、文化の奥深さを感じることができますね。

歴史的価値の理由

1.中国文化の精髄を網羅

故宮博物院には、書画、陶磁器、翡翠、青銅器、刺繍、仏教美術など多様な収蔵品があります。これらは中国王朝の興亡と共に受け継がれた貴重な歴史資料であり、世界史の流れと密接に関係しています。

2.王朝の興亡を映すコレクション

収蔵品は唐、宋、元、明、清の各時代にわたるもので、中国の宮廷文化を深く知る手がかりとなります。特に宮廷の使用した器や書画には、当時の美意識や権力構造が表れています。

3.歴史と政治の交差点

故宮博物院の収蔵品は、戦争や革命を経て台湾に渡り、現在の形に至りました。その背景には、中国本土と台湾の歴史的な関係が反映されています。この博物館は単なる展示施設ではなく、東アジアの近代史を理解する上で欠かせない場所とも言えます。

故宮博物院の見どころ

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– 翠玉白菜は、清朝時代に作られた翡翠の彫刻で、白菜の形を精巧に再現した作品です。高さ約18.7cm、幅9.1cmの小さな彫刻ですが、その美しさと技術の高さから、故宮博物院を代表する展示品の一つとなっています。この作品は、白と緑の翡翠を巧みに活かし、白菜の葉の色合いを見事に表現しています。さらに、葉の上にはバッタとキリギリスが彫刻されており、これは子孫繁栄の象徴とされています。

台北②国立故宮博物院」徹底ガイド 【旅の大事典】 さん

– 肉形石は、清朝時代に作られた碧玉の彫刻で、まるで東坡肉(豚の角煮)のように見える作品です。サイズは高さ6.6cm、幅7.9cmと小ぶりですが、そのリアルな質感と色合いが驚くほど本物そっくりです。この作品は、豚肉の皮の毛穴まで細かく再現されており、さらに醤油が染み込んだような赤褐色の染料で仕上げられています。まるで食卓に並んでいても違和感がないほどの精巧さです。

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– 王羲之の書は、唐代の精密な摹本とされ、乾隆帝が特に珍重し、「天下無双、古今鮮対」と称賛しました。彼はこれを「三希堂」に収蔵し、王献之の「中秋帖」、王珣の「伯遠帖」とともに「三希」と呼びました。
また、「十七帖」と呼ばれる王羲之の晩年の書簡をまとめた作品も、故宮博物院で特別展として展示されたことがあります。これは草書を中心とした書で、宋代の黄伯思が「書中の龍なり」と讃えたほどの名品です。

毛公鼎 - Wikipedia さん

-毛公鼎(もうこうてい): 西周後期の青銅器で、内側に500文字以上の銘文が刻まれています。これは現存する青銅器の中で最長の銘文であり、歴史的価値が非常に高いです。

 

 

 

國立故宮博物院3D文物賞析專區-3D典藏文物-西周早期召卣 さん

-宗周鐘(そうしゅうしょう): 西周時代後期の青銅器で、左右対称に配置された龍の文様が特徴的。111文字の銘文が刻まれており、当時の政治状況を伝える貴重な文化財です。

 

唐三彩馬球仕女俑藏家會- Pinkoi 限時優惠活動

-三彩馬球仕女俑(さんさいばきゅうじょよう): 唐代の女性が馬球(ポロ)を楽しむ姿を表した陶俑。鮮やかな色彩と躍動感のある造形が魅力です。

 

 

保存版】台北故宮博物院 完全攻略|三大至宝と人気展示品、お土産、アクセス情報を総まとめ | tripool トリプール

-白磁嬰兒枕(はくじえいじちん): 宋代の陶器で、赤ん坊の形をした枕。細部まで精巧に作られており、当時の生活文化を垣間見ることができます。

 

 

修学旅行で故宮博物院へ行こう!故宮所蔵の名品をお見逃しなく - 精選文物と参観路線

-彫象牙透花雲龍紋套球(ちょうぞうげとうかうんりゅうもんとうきゅう): 1本の象牙から彫り出された21層の球体。各層が独立して回転する驚異的な技術が用いられています。

 

 

故宮博物院のルーツ—中国王朝の遺産

故宮博物院の歴史は、中国王朝の中心だった 北京の紫禁城(故宮) に遡ります。清王朝時代、皇帝たちは莫大な芸術品や文化財を収蔵し、それらが中国の歴史と共に継承されてきました。しかし、20世紀に入り、政治の動乱によってこの文化財は台湾へと移動することになります。

台湾へ移された理由—国共内戦の影響

故宮博物院の収蔵品が台湾へ移動した大きな理由は、国共内戦(1927年~1949年) です。この内戦により、中国本土では共産党と国民党の激しい対立が起こりました。国民党政府(中華民国)は劣勢となり、最終的に台湾へと撤退。その際、国民党は北京故宮に収蔵されていた貴重な文化財を台湾に持ち込む決断をしました。これにより、紫禁城に収められていた書画や陶磁器、青銅器などの膨大な文化遺産が、台北の故宮博物院へと収められることになったのです。

故宮博物院の役割—中国文化の守護者

現在の台湾故宮博物院は、単なる博物館ではなく、中国数千年の文化を守る 「文化の砦」 ともいえる存在です。政治的な経緯を経て台湾にあるものの、その収蔵品の価値は世界的に認められています。特に以下の点が故宮博物院の特徴として挙げられます:

  1. 膨大なコレクション:唐・宋・元・明・清の各王朝を網羅する書画や陶磁器を展示。
  2. 貴重な彫刻作品:翡翠彫刻の「翠玉白菜」や、奇石「肉形石」が有名。
  3. 歴史と政治の交差点:中国の歴史を知る上で欠かせない場所。

結論—世界四大博物館の一角を担う理由

故宮博物院が台北にある理由は、単なる偶然ではなく 歴史の激動と文化の保護 によるものです。国共内戦の結果、台湾に持ち込まれた貴重な文化財は、今もなお台北で守られ、多くの人々に歴史を語りかけています。この博物館は中国文明の本質を伝える場であり、世界四大博物館の一つとして、文化的価値を維持し続けていることがわかりました。

 

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